寝違えは何日で治る？専門家がやさしく解説します

そもそも寝違えとは？

「朝起きたら首が痛くて動かせない…」そんな経験はありませんか？

このような急な首の痛みは、一般的に「寝違え」と呼ばれています。

医学的には、寝違えは「急性の筋筋膜性頚部痛（けいぶつう）」と分類されることが多く、首や肩まわりの筋肉・靭帯・関節包（関節を包む膜）などに炎症が起きている状態とされています。

寝ている間は、無意識に同じ姿勢が続いたり、寝返りの回数が減ることで、特定の筋肉に負担が集中しやすくなります。

さらに、枕の高さやマットレスの硬さ、冷えなどの要因が加わると、筋肉が緊張したまま血流が滞り、微細な損傷や炎症が起きやすくなります。

結果として、朝目覚めたときに

「首が動かない」

「振り向けない」

「痛くて下を向けない」

といった症状が現れ、日常生活にも支障が出てしまうのです。

「ただの寝違え」と侮れないケースも

多くの場合は数日〜1週間ほどで自然に改善しますが、中には症状が長引いたり、肩・腕にかけてしびれや強い痛みが広がるようなケースもあります。

そのような場合、単なる寝違えではなく頚椎症や神経根の炎症など、別の疾患が関わっている可能性もあるため注意が必要です。

東洋医学的には「寒邪（かんじゃ）」や「気血の滞り」が関係

東洋医学の視点から見ると、寝違えは「寒さ」や「湿気」などの外的な邪気（じゃき）が体に入り込み、首や肩の経絡（けいらく）をせき止めてしまうことで起こると考えられています。

また、日頃の疲れやストレスで、気血の巡りが悪くなっている人ほど、寝違えが起きやすいとも言われています。

つまり、「寝違え」はただの寝方の問題ではなく、体質・生活習慣・姿勢・筋肉の状態などが複合的に影響しているトラブルなのです。

このように、寝違えは一見すると軽い不調に見えますが、体からの「サイン」でもあります。

正しく対処することで早期に楽になることもあれば、放置や間違ったケアで長引かせてしまうこともあります。

それでは、寝違えは「何日で治るのか？」について、症状の程度別に詳しくご紹介していきます。

寝違えは何日で治る？

■ 軽度なら1日〜2日

痛みはあっても、首を少し動かせる程度なら1〜2日で改善するケースが多いです。

■ 中程度なら3〜5日

痛みが強く、首を動かすとズキンと響く場合は、炎症がしっかり起きている状態。

この場合は3〜5日程度、回復に時間がかかることがあります。

■ 1週間以上続くなら要注意

1週間たっても痛みが改善しない、最初の頃よりも悪化している、しびれを伴う、肩や腕まで痛む場合は他の疾患が関係している可能性がありますので整形外科への受診をおススメします。

寝違えた直後は、首まわりの筋肉に炎症が起きている状態です。まずは冷却用の湿布などで冷やすことで、炎症を抑えるのに役立ちます。

ずっと動かさずにいると、筋肉がかえって硬くなってしまうこともあります。無理のない範囲で、少しずつ動かすことが回復の助けになります。

このように、「正しいケア」と「避けた方がいい行動」を知っておくことで、寝違えの早期回復につながります。ご自宅でのケアにぜひお役立てください。

寝違えは「放っておいても治る」ケースもありますが、早く治したい・何度も繰り返すという方には、プロのケアがおすすめです。

当院では、寝違えの原因となる筋肉の緊張・血流の滞り・自律神経の乱れを東洋医学の観点から見極め、鍼灸や整体で的確にアプローチしています。

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